十七夜

会社を出たら月を探すことにしている。

いや、方向音痴なわけではなく、単に見るのが好きなのだ。

今夜は晴れていたのですぐ見つかった。ほぼ円形だが、ほんの少し欠けている。

そういえば、そろそろ十五夜だろうと思って調べてみると、今年は九月三十日。つまり、おとといだった。ではこれは十七夜とでも言うのだろうか。

ところで、十五夜を旧暦の八月十五日と定義すると、その日が満月になる確率はそれほど高くないようだ。平均すると、十年に三回くらいだという。

それを多いとするか少ないとするかどうでもいいとするかは人それぞれだが、曇る場合を考慮すると少ない気がする。

まあ、十七夜でもこれだけきれいなのだし、満月は年に十回以上あるので、それほど残念ではないが。

信号が近づくと、わざとゆっくり歩いて立ち止まりながら見上げる。屋外カフェでも探すべきかもしれない。


新月の夜は海に大きな電球を浮かべて空を歩きたい